配布物や掲示物を作るとき、「配色」はとても重要なポイントです。
とはいえ、アプリケーションでの色選びは選択肢が無限にあります。
つい好みの色や、いつもの使い慣れた色に偏ってしまうことも多いのではないでしょうか。
また、「目立たせたいから赤!」「青が好きだから背景は青に…」など、他の要素とのバランスを考えずに色を決めてしまうこともありますよね。
もちろん印象的なデザインを目指すことは大切です。
しかし、まず優先的に意識したいのは視認性や可読性―つまり、「読みやすさ」です。
明度差がカギ!色の見え方に注意
文字や図形が「見やすい」かどうかは、周囲とのコントラスト(明度差)によって大きく変わります。
たとえば、赤と緑、青とオレンジなど、色みが大きく異なる組み合わせであっても、明るさが近い場合はパッと見て認識しづらくなることがあります。
逆に、色みが似ていても、明るさにしっかり差があれば視認性が確保されます。
このような見え方を確認するために、簡単にチェックできる方法があります。
グレースケール印刷で簡単チェック!
それは、レイアウトデータをグレー(白黒)印刷してみること。
グレーで印刷することにより色みの情報が失われ、色の明度だけを比較できるようになります。

グレーの印刷物をチェックした結果、要素同士がなじんでしまって読みにくい箇所があれば、そこは明度差が足りていないサインと言えます。
そんなときは、以下のように調整してみましょう。
- 見えづらいと思った色のどちらかを、少し明るくしたり暗くしたりする。
- 色を変えず、書体や線の太さを調節する。(白や黒、グレーを間に挟む)


ほんのひと工夫で、グッと読みやすいレイアウトになりますのでぜひお試しください。
おわりに
配色に正解はありませんが、「読みやすさ」は欠かすことのできない大切な基準です。
このような確認を行うことで、高齢者など視覚に不安のある方々にも情報が届きやすくなり、より多くの人にとって使いやすいデザインになります。
伝えたい内容が相手にしっかり届くようにするためにも、ぜひお試しください。